『コロッケのボク』の補足 [ねこ屋]

『コロッケのボク』

このお話は、実話です。


以前せんざい屋は、とある町で総菜屋をしていたのです

その時のお話です

住宅地の何所かに住んでいた、小さなお客さんは

店のコロッケが大好きでした

家族一緒に来てくれた事もありましたが

よく姉に手を引かれ、訪れてくれました

とても引っ込み思案の子でしたが

慣れて来ると、色んなお話をしてくれました

そして揚げたてのアツアツを、大事そうに抱えて帰ってゆく後ろ姿が

今も忘れられません

3月のある日、大きなランドセルを背負って嬉しそうに

「今年から小学校に上がるんだ」と、見せに来てくれました

それ以来、ずっと小さなお客さんは姿を見せなくなり

「どうしたんだろう?」と心配していたのですが

「きっと何処かの町に引っ越して、元気に暮らしているのだろう」

そう思っていました


それから3年後

両親と姉が、店に訪れてくれました

そしてあの少年は、入学式を目前にしたある日

喘息の発作が起き、亡くなった事を知りました

そして子供の思い出が一杯残っている、この町に住むのは辛いと

遠くの町に引越して行ったのだそうです

でももう一度、大好きだったコロッケを供えてあげたいと

来てくれたのですが、その時はもう総菜屋を辞め、他の物を扱っていたのです



何故総菜屋を辞めたかと言うと、四六時中洗剤を使い粗い物をしていたので

私の手がボロボロに成ってしまい、仕事が出来なくなり、洗剤を扱うようになったのです

だからネット等で、酷い手荒れや手湿疹で困っている人の話を見ると、あの頃の自分の事を

思い出したりしてます

その中で「あんな子が居たな」って思い出して、小さなお話にしてみました
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