今日の童話『コロッケのボク』 [ねこ屋]

魔法のiらんど

yanyanの携帯小説から

コロッケのボク

小さな町のコロッケやさんに
ボクの大好きな 
おいしいコロッケがありました

お姉ちゃんといっしょに手をつなぎ
時々来る小さなお客さま

「いらっしゃい!」大将の声

いつもおねんちゃんの後に隠れて
恥しそうにしてるボク

顔をちょこっと出して
「コロッケ下さい」
小さな声でやっと言えた

「何こ揚げましょう」

お姉ちゃんと一緒に
手のひら広げて数えます

「パパ2こ ママ1こ」
「お姉ちゃん1こ ボク2こ」

「ボクは1こでいいよ」

お姉ちゃんのことばに
ふくれっ面のボク

大好きなコロッケなのに

「1こおまけしといたよ」

ふくれっ面のボクの顔
ニコニコ顔になってった

「お姉ちゃんと、はんぶんこ」

二人は一緒に手をつなぎ
いま来た道を帰ってった

それから春がやって来た

今日はママと一緒に手をつなぎ
小さな背中に
大きな新しいランドセル
大好きなコロッケやさんに見せに来た

来月からボクは1年生

「もうお兄ちゃんだね」

ボクの夢はなに?

「大きくなったらね、コロッケになる!」

明るい笑い声が、小さな店中に広がった

「はい!1こおまけね」

「ママと一緒にはんぶんこ」

二人は楽しそうに帰ってった

4月が来ても
5月が来ても
半年経っても
1年過ぎても

ボクはコロッケやさんに来なくなりました

それから3年経った時

ボクのパパとママとお姉ちゃん
3人でコロッケやさんにやって来た

でもコロッケやさんは無くなって

僕の大好きだったコロッケ
もう無くなっちゃった

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。